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橋桁と橋台のつなぎ目

普通はあまり目にする機会がない、あるいはその機会があってもそれと意識する事のない、橋桁と橋台(橋脚)の接合部について、今日は簡単に説明をさせて頂きます。

橋桁と橋台が一体型構造のラーメン橋などを除き、ほとんどの橋の橋台には、下図のように「支承」(ししょう)という装置(接合部材)が設けられており、この支承が、橋桁(橋の上部構造)からの力を橋台(橋の下部構造)に伝えています。
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支承には、主に以下の3つの機能があります。

【1】 伝達機能 …… 橋桁自体の重さと、その橋桁の上を走行する車両の荷重による力を、下部構造へと伝える機能。
【2】 伸縮機能 …… 温度変化などによる橋桁の伸び縮みに対応する機能。
【3】 回転機能 …… たわみによる橋桁の回転に対応する機能。

一般には、両方の橋台にそれぞれ設けられている支承のうち、どちらか一方の支承が橋桁をしっかりと固定し、もう一方の支承が、橋桁がある程度自由に動くような構造になっています。
これをそれぞれ「固定支承」「可動支承」といい、可動支承は、橋桁の可動範囲が小さい時には板状の、大きい時にはローラー状のものが使用されています。

但し、近年は「水平力分散支承」と云われる、明確に固定・可動を分類しない新しい構造の支承も用いられるようになってきています。
固定支承と可動支承を組み合わせた従来の橋では、地震が発生した場合、固定支承のみが集中的にその地震力を受け持つ事から、固定支承やその下部構造が損傷を受ける事例が少なくはなく、このため、全ての支承で橋桁の伸縮を弾性的に吸収し、各支承で分担して地震力を受け持つ水平力分散支承が用いられるようになってきているのです。
# by bridgelove | 2008-05-06 18:54 | 橋に関する雑学

シドニーのハーバーブリッジ_e0147022_17505585.jpg
シドニーのハーバーブリッジ_e0147022_17511846.jpg
私が海外に行った経験というのは、高校1年次の9月にオーストラリアに行った一回だけで、その時は、北海道高等学校PTA連合会主催の7泊8日の研修旅行に参加してシドニーとメルボルンに行って来ました。
あれ以来私が一度も海外に行っていないのは、例えば現在の仕事では二連休を超える長期の連休は取り辛い、とか、海外に行くのにはお金がかかる、等の理由もありますが、そもそも、海外旅行よりも国内旅行の方が面白いし好き、という私の個人的な趣向が最も大きな理由であろうと思います。

それはともかく、私が海外に行ったのは高校1年の時(今からもう十数年も前です)の一度だけで、その時に私がシドニーで見てきた印象深い橋が、オペラハウスと共にシドニーのシンボルとなっている、シドニー湾に架かっている「ハーバーブリッジ」という名のアーチ橋です。
上の写真に写っている橋がそのハーバーブリッジですが、この2枚の写真は、元々湾岸の雰囲気やオペラハウスを撮ろうとして写した写真で、最初から橋をメインに撮ろうとした写真ではないため、橋の写真としてはあまり構図の良くない写真なのですが、今ほど橋に興味がなかった当時の私が撮った写真の中ではこの2枚しかハーバーブリッジが写っている写真はないので、「あまりいい写真ではないな…」と思いつつも一応貼付させて頂きます(笑)。

ハーバーブリッジは、世界恐慌時の不況対策の公共事業として大正12年に着工し、昭和7年に完成した、道路(8車線)・鉄道(複線)・自転車道(内陸側)・歩道(太平洋側)の併用橋で、全長は約1,500mあります。
橋桁を吊り下げている、橋の両端の支柱は石造りで、100m近い高さがあり、アーチの最上部の高さは134mあり、建設当時はこのアーチがシドニーで最も高い建築物でした。

ちなみに、実際にシドニーでこの橋を見た当時は知りませんでしたが、命綱をつけてハーバーブリッジのアーチの最上部に登る「ブリッジクライム」という、観光客向けのアトラクションもあるそうです。
# by bridgelove | 2008-05-03 17:47 | 海外の橋

宇治橋の模型

宇治橋の模型_e0147022_20351169.jpg
去年の丁度今頃(平成19年4月24~30日までの1週間)、札幌の三越デパートでは、10階の催事場にて「伊勢神宮展」というイベントが開催されました。
同展では、三重県伊勢市にある「神宮」(いわゆる伊勢神宮)についてのパネル・模型や、文化財、祭器具、装束など様々なものが展示され、そして、同展のシンボルとして会場の中央には、伊勢の五十鈴川に架かる宇治橋の大きな模型が展示されました(実物の宇治橋については先月2日の記事を御参照下さい)。

模型とはいっても、実際にその上を人が歩いて渡る事ができるものでしたから、模型としてはかなり大きなものでした。
勿論、実物の宇治橋と比べるとその大きさは全く比較になりませんが、しかし、幅2m強程度の小川になら実際に架けられるほどの大きさはありました。

当時私は、伊勢神宮展にはスタッフの一人として関わっており、そのため同展の開催前日は、他のスタッフの人達と一緒に、その宇治橋の模型を会場に搬入・設営する作業を手伝いました。
しかし、この宇治橋の搬入は、かなり大変な作業でした。
というのも、この宇治橋の模型は一体型で分解できない構造のため、その大きさから業務用のエレベーターに直接載せることができず、閉店後に店内にあるお客さん用の普通階段を使って10階まで運ぶしか運搬手段がなく、そのため私達は三越の閉店時間(午後8時)まで待ち、閉店後、1階の搬入口から、搬送業者とともに総勢20名近くで、宇治橋を1階から10階まで、30分程かけて運び上げたのです。

そして、大変な思いをしながらも何とか宇治橋を会場に設営した後は、実際の宇治橋と同じ情景に少しでも近づけるため、宇治橋の前に鳥居も組み立てられました。それが、上の写真です。
大変でしたが、今となってはいい思い出です(笑)。
# by bridgelove | 2008-04-30 20:44 | これも橋?

多々羅大橋

多々羅大橋は、本四連絡橋の3ルートのうち、尾道・今治ルート(しまなみ海道)の生口島~大三島間の多々羅海峡に建設された、橋長1,480m、中央支間長890mの斜張橋で、斜張橋としては世界最大・最長の橋です。
多々羅大橋_e0147022_5273531.jpg
多々羅大橋は、当初は吊橋として計画されていたのですが、最近の斜張橋の著しい発達を考慮して計画を見直した結果、斜張橋の建設が技術的に可能である事、吊橋を建設するよりも生口島側の地形改変が小さく済むなどの理由により斜張橋案に変更され、平成2年8月に着工し、平成11年5月に完成しました。
塔頂の高さは海面より226mもあり、尾道・今治ルートの橋の中では最も高いものとなっています。

車線数は4車線で、車道の他に歩行者道とバイク道も併設され、地域住民の生活道路としても機能しています。
また、世界第2位の斜張橋であるフランスのノルマンディー橋とは姉妹橋縁組みをしています。

私は、多々羅大橋は今までに3回渡ってきましたが(バイクで1回、高速バスで2回)、以下の写真はいずれもその際に撮影してきた写真です。
多々羅大橋_e0147022_503455.jpg
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# by bridgelove | 2008-04-29 04:47 | 本四連絡橋

神戸港に架かる高架橋

京都に住んでいた当時、私は休みの日などにはよく神戸に遊びに行っていましたが、神戸に行った際には大抵、メリケンパークやハーバーランド周辺の公園や商業地区を散策していました。
そしてその時にほぼ毎回目にしていたのが、神戸港(メリケン波止場の辺り)に架かる高架橋です。

下の写真にそれぞれ写っている高架橋のうち、沖側の二層構造の高架橋が国道2号(浜手バイパス)で、岸側のやや低い高架橋が高速道路(阪神高速神戸線)です。
これらの高架橋の下には、神戸海上保安部(海上保安庁)の巡視船や神戸水上警察署(兵庫県警)の警備艇などがよく停泊していました。
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# by bridgelove | 2008-04-25 00:37 | 中部・近畿の橋