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和歌山・伊太祁曽神社の太鼓橋

私は今月中旬、2泊3日の日程で関西(主に京都・大阪・和歌山方面)を旅行してきたのですが、その際(3日目の午前中)、和歌山県和歌山市伊太祈曽に鎮座する伊太祁曽(いたきそ)神社を参拝・見学してきました。

伊太祁曽神社は、日本書紀によると我が国に樹木を植えて廻ったとされる、「木の神様」として慕われている五十猛命(いたけるのみこと)を主祭神としてお祀りする神社で、式内社(名神大社)であり、紀伊国一宮でもあります。ちなみに、旧社格は官幣中社でした。
その伊太祁曽神社の二之鳥居から本殿まで、一直線に続く参道の一部として、境内の池に架橋されているのが、この太鼓橋です。

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神社の境内にある太鼓橋には、人間(参拝者)が渡る事を主体にして造られている橋と、専ら御神霊がお渡りになるものとして、または御神威の発揚のため、最初から人間が歩いて渡る事はほとんど想定していない橋(例えば、平成20年5月13日の記事で取り上げた彌彦神社の玉ノ橋や、平成24年11月20日の記事で取り上げた誉田八幡宮の放生橋など)の二つの形式がありますが、伊太祁曽神社の太鼓橋は前者のタイプの橋で、そのため太鼓橋としては傾斜は緩やかで、どなたでも容易に渡る事が出来る形状・構造になっています。

また、このタイプ(参拝者が渡る事を主体にして造られている神社境内の橋)の中には、例えば平成22年11月5日の記事で取り上げた亀田八幡宮境内の太鼓橋や、平成24年3月25日の記事で取り上げた岩津天満宮の御神橋などのように、橋本来の目的からは(少なくとも単に通行する上では)そこに橋がある必然性はほぼ全く無く、信仰上の理由から(もしくは遺構としての価値から)のみ形式的に存在する橋というのも少なからずありますが、伊太祁曽神社の太鼓橋は、境内にある池を跨いで架橋されており、参拝する上でも欠く事の出来ない存在であるのみならず、その池や、池周辺の緑豊かな木々の風景と合わせ、境内の風光明媚な光景を彩る効果的なアクセントのひとつにもなっています。

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下の1枚目の写真は、二之鳥居の手前正面から撮った太鼓橋、2枚目の写真は、逆方向(本殿側の方角)から撮った太鼓橋です。
ちなみに、私が訪れた時は生憎、修繕工事中であったため、私はこの橋を渡る事は出来なかったのですが、後で聞いたところ、その翌日にはもう橋は渡れる状態になっていたそうです。タイミング的には、ちょっと残念でした!

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神社の境内に架かる、参道の一部となっているこのような橋は、信仰上、聖俗の境界(結界)としての役割を担っている事が多く、参拝者はその橋を渡る事で斎戒をし、心身共に清々しくなります。
次に伊太祁曽神社をお参りする機会があった際は、私も是非この橋を渡ってみたいと思います!







by bridgelove | 2014-07-29 06:22 | 神社仏閣の橋