「ほっ」と。キャンペーン

今月中旬、私は、2泊3日の日程で宮城県内を旅行してきたのですが、3日目には、仙台市内在住の友人の案内により、同市若林区の荒浜地区に行ってきました。
荒浜地区は、今年3月11日に発生した東日本大震災では高さ10mもの巨大津波に飲み込まれ、仙台市内に於いては特に壊滅的な被害を受けた地区です。

今回、私があえて荒浜地区に行ってきたのは、この度の大震災や大津波とはどういったものであったのか、テレビやネットなどで得られる情報だけではそれはどうしても実感としては伝わりきらない部分があるので、直接現地に赴く事で、自分の目や肌によりそれを直に感じてみたかったからです。
また、防災や消防に関わる自治体の消防団員(もし札幌で大震災が発生したとしたら間違いなく出動する事になるであろう立場)としても、そして、この大震災の現実を後世に語り継いでいくためにも、被災地を直接訪問する事は私にとって必要な事であろうと思ったのです。
そのため、被災地を訪れるというのは、私にとっては今回の旅行の重要な目的の一つでした。

私が見てきた限りでは、現在の荒浜地区(主に海側)は、住んでいる人はほぼ皆無で、残念ながらコミュニティーとしてはほぼ全滅してしまっていました。
一部を除いて、瓦礫だけはほとんど撤去されていましたが、津波が押し寄せるまでは住宅街であったにも拘わらず今では家は全く残っておらず(荒浜小学校の校舎と体育館以外、建物らしき物はほとんど現存していません)、しかし、建物は無くても家の土台(基礎)だけは残っているので、かつてここが住宅地であったという痕跡はしっかりと残されており、そこにあったであろう家やその家に住んでいた人達が津波で流されてしまった事を思うと、胸が締め付けられるような思いがしました…。

以下は、荒浜地区を流れる貞山堀(ていざんぼり)という運河と、そこに架かっていた橋の写真です。
貞山堀は、海岸と垂直方向に流れている水路ではなく、かなりの長い距離を海岸と並行して直線に流れている水路で、そのため、押し寄せた津波や引き寄せた津波に飲みこまれて瓦礫と化した様々な物は、大きな溝となっているこの水路に集中して蓄積され、震災から9カ月経った今では普通に水が流れていますが、震災の直後、この水路は津波により流された無数の車でほぼ完全に埋まっていたそうです。
e0147022_5485617.jpg
e0147022_5491432.jpg
貞山堀の周囲ではほぼ全ての建物が流されていましたが、この橋は、津波を遮る形ではなく津波の進路と同方向に架橋されていたため、一部破損はしたものの、流失はされずこの地に残っていました。

下の写真は、貞山堀のすぐ近くで撮影した、かつて住宅が建ち並んでいた場所です。
津波に襲われる前は一戸建ての住宅がこの地に軒を連ねていたそうですが、御覧のように今は住宅の基礎部分が残るのみです。
住宅の跡地にはお花が供えられているところもあり、そういった光景を見ると、確実にここで人が亡くなったのだという事をリアルに実感させられます。ここではこのような光景が延々と続いていました…。
e0147022_5493775.jpg
下の写真は、今回の旅行中に私が仙台市内の書店で買った「緊急出版 特別報道写真集 巨大津波が襲った 3・11大震災 ~発生から10日間の記録~」という、河北新報社から出版された写真集から取り込んだ画像で、震災発生の1週間後に空撮された荒浜地区の様子です。
この写真は、クリックすると拡大表示されるので、是非拡大の上御覧下さい。海岸と並行している貞山堀の流れ方や、津波により壊滅してしまったその周辺の様子などがよく分かるかと思います。
ちなみに、右ページに写っている橋が、この記事の1枚目の写真で柵だけが写っている手前側の橋で、左ページの右端に写っている橋が、この記事の1枚目や2枚目の写真に写っている、柵が一部破損している橋です。
e0147022_6544142.jpg
警察庁によると、12月8日現在、東日本大震災による死者は15,841人(死者と行方不明者の合計は19,334人)で、このうち最も死者が多く出た県は宮城県で9,505人、次いで岩手県の4,665人、福島県の1,605人という順になっているので、宮城県は他県に比べて死者の数が突出しており、これは主に津波による犠牲者といえます。

今回、私は荒浜地区を歩いてきて、この現実は決して風化させてはいけない、この大震災をきっちりと後世に語り継いでいく事こそが、生き残った人達や、災難を免れた私達の責務だな、と強く思いました。
[PR]
by bridgelove | 2011-12-27 05:47 | 東北・関東の橋 | Comments(0)

「どうしようもなく疲弊したときに読んで欲しい、脱力満点な国内外の情報を編集部総力あげて真剣にお伝えする、脱力ライフ提案サイト」を名乗っている「Pouch[ポーチ]」というニュースサイトで、先月28日に、『モーゼの十戒みたいな橋がオランダにあった!渡ってみたいぞ』という記事(以下のURL)が配信されたのですが、この記事では、まるで水面を割って人が歩いているように見える橋が紹介されています。
http://youpouch.com/2011/11/28/44540/

なんとも不思議な、実に面白い橋です!
是非渡ってみたい橋ですが、数センチでも水位が上がると水没するのは確実なので、実用性は完全に無視している橋ともいえます。

e0147022_1311016.jpg
e0147022_1312389.jpg
e0147022_1313944.jpg
e0147022_1315923.jpg

[PR]
by bridgelove | 2011-12-09 01:29 | 海外の橋 | Comments(0)