全国的には勿論の事、地元の北海道民にもほとんど知られていませんが(私もつい最近初めて知りました)、函館市や青森県では、以前から、北海道(函館市)と青森県(大間町)を結ぶ自動車専用道の「津軽海峡大橋」を架橋しようという構想があるそうです。

日本の四大島の中で唯一道路では結ばれていない北海道と本州を結ぶため津軽海峡に、世界最大・最長の明石海峡大橋をも上回る超長大な吊橋(全長約19km、中央支間長4km、4車線)を架け、北海道と本州を道路で直結させて日本列島を縦貫する高速交通の大動脈を完成させようという、壮大な構想です。

なお、下の地図で北海道の福島町と津軽半島先端の竜飛崎を結んでいる点線(地図の左側)は青函トンネルです。
津軽海峡大橋は、この地図上では図示されていませんが、北海道の函館市と下北半島先端の大間崎を結ぶルート(地図の右側)での建設が現時点では最有力視されています。
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このプロジェクトは、木村守男・前青森県知事がその実現に向けて特に積極的に活動していたそうですが、しかしながら木村前知事の在任当時から、前代未聞の規模の長大な吊り橋となる事や、莫大な建設費(事業期間10年で約3兆円)や維持・管理費(年間約38億円)がかかる事などから、その実現を疑問視したり建設に反対する声も強かったようで、県知事が交代して以降は、三村申吾・現知事が建設反対の立場である事もあって、この構想にあまり前向き進展は見られません。

また、費用以外にも、津軽海峡とその周辺の景観の問題、橋脚施設の塩害対策、強風・積雪・路面凍結時等の道路の安全確保や、国際海峡である津軽海峡の荒波・水深・航路確保など、避けては通れない技術的な課題が山積しており、津軽海峡に橋を架ける事は、最新の架橋・土木・建設技術をもってしても容易な事ではありません。

ちなみに、もし橋ではなく、青函トンネルのように海底トンネルを津軽海峡に建設する場合は、景観の問題、荒波・水深・航路確保等の問題はクリアされるものの、以下のような新たな問題が生じ、その建設は吊り橋同様、やはり、あまり現実的ではありません。

① 長大トンネル内の排気ガスの換気は技術的に困難(青函トンネルの場合は、電車と電気機関車が通るのみなので、排気ガス対策は全く考慮する必要がありません)。
② 長大トンネル内での交通事故や火災防止に対する対策が困難(青函トンネルの場合は、事故・災害対策として、トンネル内に二つの海底駅が緊急避難場所として建設されました)。
③ トンネル長が15kmを越えた場合はトンネル内にパーキングエリアを、50kmを越えた場合はトンネル内にサービスエリアを設置しなければならないが、パーキングエリア、サービスエリア共に長大な海底トンネル内に設置する事は技術的に困難。
④ 本坑(車道)の他に、先進導坑・作業坑・立坑・斜坑など複数のトンネルを海底下(しかも青函トンネルよりも地盤が弱い場所)に建設する必要があり、技術的に困難。

ただ、橋にしろトンネルにしろ、津軽海峡が車で横断できるようになると、その道路は、現在建設中の北海道新幹線と共に北日本の国土軸の中核を担う事になり、北海道~本州間の物流・観光・交流の活発化、“青函圏”という新たな経済圏や文化圏の出現を促す役目、生活道路や災害時の避難経路としての活用などが期待でき、実際に津軽海峡大橋が建設・運用される事により生じるメリットは、決して小さくはありません。
まだ実現の目処は全く立っていませんが…。
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by bridgelove | 2008-07-24 05:50 | 北海道の橋

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1月13日の記事では、室蘭港(北海道室蘭市)の港口に架かる白鳥大橋という美しい吊橋を紹介させて頂きましたが、今から10年近く前、室蘭港を帆船(上の写真の船)でクルージングした際に、その船の上から同橋を仰ぎ見るようにして撮影したのが以下の写真です。
こうして同橋を下から眺めると、瀬戸大橋明石海峡大橋のような二層構造になっている長大橋と比べるとかなりシンプルな印象を受けますが、その分すっきりとした印象も受けます。
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個人的には白鳥大橋は大好きなのですが、ただ、その白鳥大橋が架けられている室蘭市は近年人工減が著しく、胆振支庁の中核都市でありながら市の人口はついに10万人を切り、かつて繁華街であった室蘭駅周辺の商店街はシャッター街と化し、市の事実上の中心部は、既にかなり以前から、半島に位置する室蘭駅周辺から半島の付け根に位置する東室蘭駅の周辺に移っています。
このままでは、半島の先端と内陸部とを結ぶ白鳥大橋の存在意義もいずれ問われかねず、同橋の利用を活性化させるためにも(それ以前に室蘭の都市としての機能や価値を高めるためにも)、室蘭駅周辺の効果的な再開発が望まれます。
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by bridgelove | 2008-07-11 06:18 | 北海道の橋

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今年の5月、山口県岩国市に行った際に、JR西日本の岩国駅7番線ホームから撮影した、同駅構内にあった跨線橋です。ドッシリとした風格が感じられます。

岩国駅は3面6線のホームを持つ、岩国市の中心駅で(但し山陽新幹線が通っている駅は同駅ではなく郊外の新岩国駅です)、駅の表口(正面)である西口は1番線側に位置し、駅本屋(西口の駅舎)は1番線ホームと直接面した構造になっています。
7番線ホームの東側にはホームのない副本線(8番線)や数本の側線があり、写真の跨線橋はそれらを跨いで、裏口に当たる東口の小さな駅舎に繋がっています。

但し、午前4時40分から翌日の午前1時まで営業している西口に比べて、東口の営業時間は午前6時から午後9時までと短く、営業時間以外は、東口の駅舎も、それに通じる跨線橋上の7番線以東も、シャッターが閉められます。
つまり、列車の発着がある時間帯でも早朝や夜遅くは、跨線橋の一部(この写真に写っている部分)は通行不可になるという事です。
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by bridgelove | 2008-07-03 05:58 | 中国・四国・九州の橋