今年1月10日の記事では、橋桁の構造から分類すると、現代の主要な橋は「桁橋」「トラス橋」「アーチ橋」「斜張橋」「吊橋」の5種に分類されるという事を解説させて頂きましたが、実はもう一つ、「ラーメン橋」という構造の橋があります。
前出の記事では、ラーメン橋は一応「桁橋」の一種として解釈したためあえて解説はしなかったのですが、最近はラーメン橋も多く見られるようになってきたので、今日の記事ではラーメン橋について簡単に解説をさせて頂きます。
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最もポピュラーな橋である桁橋と、ラーメン橋とを比較したのが上図です(図中の字が潰れて表示されているため、図をクリックして拡大表示させて御覧下さい)。
この図を見れば両形式の違いは明らかで、桁橋と違ってラーメン橋は主桁と橋脚が一体化した構造になっているのです。ちなみに、ここでいうラーメンとは勿論中華ソバとは関係なく、この場合のラーメンはドイツ語で「鋼節骨組」を意味しています。
ラーメン橋は、一体成型されている事から特に耐震性に優れており、高速道路を跨ぐ陸橋などでよく見られる構造の橋です。
以下の写真は、いずれも道央自動車道にて撮影したラーメン橋です。
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by bridgelove | 2008-12-17 05:41 | 橋に関する雑学 | Comments(0)

橋桁と橋台のつなぎ目

普通はあまり目にする機会がない、あるいはその機会があってもそれと意識する事のない、橋桁と橋台(橋脚)の接合部について、今日は簡単に説明をさせて頂きます。

橋桁と橋台が一体型構造のラーメン橋などを除き、ほとんどの橋の橋台には、下図のように「支承」(ししょう)という装置(接合部材)が設けられており、この支承が、橋桁(橋の上部構造)からの力を橋台(橋の下部構造)に伝えています。
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支承には、主に以下の3つの機能があります。

【1】 伝達機能 …… 橋桁自体の重さと、その橋桁の上を走行する車両の荷重による力を、下部構造へと伝える機能。
【2】 伸縮機能 …… 温度変化などによる橋桁の伸び縮みに対応する機能。
【3】 回転機能 …… たわみによる橋桁の回転に対応する機能。

一般には、両方の橋台にそれぞれ設けられている支承のうち、どちらか一方の支承が橋桁をしっかりと固定し、もう一方の支承が、橋桁がある程度自由に動くような構造になっています。
これをそれぞれ「固定支承」「可動支承」といい、可動支承は、橋桁の可動範囲が小さい時には板状の、大きい時にはローラー状のものが使用されています。

但し、近年は「水平力分散支承」と云われる、明確に固定・可動を分類しない新しい構造の支承も用いられるようになってきています。
固定支承と可動支承を組み合わせた従来の橋では、地震が発生した場合、固定支承のみが集中的にその地震力を受け持つ事から、固定支承やその下部構造が損傷を受ける事例が少なくはなく、このため、全ての支承で橋桁の伸縮を弾性的に吸収し、各支承で分担して地震力を受け持つ水平力分散支承が用いられるようになってきているのです。
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by bridgelove | 2008-05-06 18:54 | 橋に関する雑学 | Comments(0)

斜張橋と吊橋の違い

斜張橋(しゃちょうきょう)と吊橋(つりばし)の違いについては1月10日の記事でも説明させて頂きましたが、今日は改めて、より詳しくその違いを解説してみようと思います。

斜張橋と吊橋を同時に見比べてみるとその違いは明らかなのですが、しかし普通は、その両方を同時に見る機会はなかなかないため、橋に興味のない人であれば、斜張橋と吊橋の区別がついていない人の方が多いように思えます。

以下の図が、斜張橋と吊橋の構造の違いです。
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一般には、スパン(橋の両端の距離)が200mを超すと、橋の構造は斜張橋か吊橋になる事が多く、どちらの形式も長大橋に適した構造といえますが(但し斜張橋や吊橋は景観に優れている事から、短いスパンの橋でもあえてこれらの構造で造られる場合もあります)、では、斜張橋と吊橋とでは具体的にはどう違うのでしょうか?

上の図を見れば分かるように、斜張橋は、主塔から真っ直ぐに張られているケーブルが直接橋桁を支えていますが、それに対して吊橋は、橋桁を直接支えているのはハンガーロープで、メインケーブルはそれらのハンガーロープの重みによってたわんで曲線を描いています。この点が、両者の外見上の最大の違いといえます。
どちらの橋にも主塔があり、そこからは斜め下方にケーブルが延びているため、遠くから見ると確かにその外観は似ているのですが、斜張橋は直線美の、吊橋は曲線美の景観をそれぞれ作り出しているのです。

また、アンカーレッジ(アンカレイジとも云われます)は吊橋のみにあり、これも斜張橋と吊橋の大きな違いの一つです。
吊橋の場合、主塔から垂れているケーブルは、橋の両端にあるアンカーレッジという地中に造られた土台にしっかりと固定され、ケーブルが設計値以上弛む事がないように機能しています(但し規模の小さな吊橋の場合は、アンカーレッジを設けず、直接橋桁の両端にケーブルを固定している場合もあります)。

斜張橋と吊橋を比べた場合、力学的にどちらの橋が優れているかといえば、それは吊橋です。しかし、その分構造は吊橋の方が複雑になります。
最近は、技術的には中央スパン900mくらいまでの斜張橋を造る事が可能になってきていますが、それ以上のスパンの長い橋を造る場合は、橋の構造は吊橋となります。
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by bridgelove | 2008-04-05 20:34 | 橋に関する雑学 | Comments(0)

橋の種類

橋には様々な分類法があり、例えば用途により分類すると道路橋、鉄道橋、水路橋、歩道橋、併用橋など、材料により分類すると木橋、石橋、鋼橋、鉄筋コンクリート橋、合成橋など、橋床位置により分類すると上路橋、中路橋、下路橋、二重橋など、橋が動くかどうかにより分類すると固定橋と可動橋に、それぞれ分類する事ができます。
そして、橋桁の構造から現代の主要な橋を分類すると、だいたい以下の5種に分類する事ができます。これを知っているだけでも、橋の観察はかなり面白くなります!

(1)桁橋

古くから用いられてきた橋梁形式で、私達が身近に最もよく見かける橋です。橋桁は、向こう岸に板などを渡しただけの単純な仕組みで、小さい川に架かっている多くがこの形です。丸太を一本小川に架けて即席の橋とした場合も、分類上は桁橋になります。
昔は木材が使われましたが、鉄の出現により現在では相当長い桁橋も可能になりました。短い距離に橋を架ける場合はこの橋梁形式が経済的で、スパン(橋の両端の距離)が50m以下の場合はだいたい桁橋として造られます。
なお、桁を両端で支えたものを「単純桁」といい、3箇所以上で支えたもの(両端に加え桁の中央を橋脚で支えたもの)を「連続桁」といいます。
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(2)トラス橋

三角形は力がかかっても形を変えたり歪んだりしないというトラスの原理に基づき、三角形を隣り合わせにする事でより力を強くした橋です。数多くの棒状の部材を三角形に組み合わせる事によって、しっかりとした骨組みに作り上げています。
最近のトラス橋は、上下の部材が平行で、正三角形が並んだような、所謂「平行弦ワーレントラス」が多く見られますが、古いトラス橋には、上弦材がアーチ状に折れ曲がった「曲弦トラス」もあります。
一般に、50~100m程度以上のスパンになると、トラス橋やアーチ橋として造られます。最近は、スパンが500mを超える連続トラスもあります。
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(3)アーチ橋

古代から利用されてきた橋梁形式で、虹のように弧を描いた美しい形の橋で、両端の圧縮力で橋を支える力学的合理性も備えています。一般に50~200m程度のスパンとなります。
両端が固定された固定アーチ、両端が回転可能な2ヒンジアーチ、アーチの中央にピン(ヒンジ)び入った3ヒンジアーチの3種類が基本的な構造スタイルです。アーチの材料は石、木、鉄、コンクリートなど様々なものが使われます。
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(4)斜張橋

吊橋に次いで長い支間(主塔と主塔の間隔)を造るのに適した橋です。主塔から斜めに張り渡されたケーブルで長い橋桁を吊った形で、現代的な美しさを持つ橋といわれています。
一般に斜張橋のスパンは80~500m程度が多いですが、コンピュータによる解析技術の進歩や強いケーブル材料の開発などにより、近年急速に発展し、長大化が進んでおり、現在斜張橋としては世界一の長さを誇る西瀬戸自動車道の「多々羅大橋」は、中央スパン890m、全長1480mもの長さがあり、技術的には900mくらいまで可能になっています(それ以上のスパンになると吊橋になります)。
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(5)吊橋

橋の中では最も長い支間を造るのに適した形で、橋全体を強いケーブルで吊り、支間を確保する位置に主塔を建てます。主塔が吊橋全体の重さを支え、ケーブルの両端はアンカレイジと呼ばれる大きなコンクリートでしっかりと固定されます。ケーブル形状は山並みと思わせる緩やかな放物線ですが、優美な美しさを感じさせる橋です。
なお、世界最長の橋は、神戸と淡路島を結ぶ、中央スパン1991m、全長3911mの吊橋「明石海峡大橋」です。
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by bridgelove | 2008-01-10 05:08 | 橋に関する雑学 | Comments(6)