宗谷海峡大橋プロジェクト

e0147022_1547018.jpg前回の記事では、津軽海峡に橋を架けようという壮大な構想がある事を紹介させて頂きましたが、今日は、それを更に上回る超巨大な構想を紹介させて頂きます。
なんと、宗谷海峡に橋を架けて北海道と樺太(サハリン)を繋げようという構想です!

とはいっても、これはあくまでもロシア側が描く構想であり、日本ではほとんど知られておらず、私もたまたま新聞の記事でつい最近知ったばかりなのですが、サハリン州のアレクサンドロ・ホロシャビン知事が先月11日の記者会見で明らかにした所によると、同州ではサハリンと大陸間(7.3km)を鉄路で繋ぐため、間宮海峡(ロシア名はタタール海峡)に鉄道用の橋もしくはトンネル(現時点ではトンネルが有力視されているそうです)を建設する構想があり、予定では3年後にはそのルートを着工する事になっているそうなのですが、その後、サハリンと稚内間(約43km)を繋ぐため宗谷海峡にも大橋を架けて、それにより日本と欧州を一本の鉄路で結んで日欧間の貨物をサハリン経由で輸送したいという考えのようです。
この壮大な構想の背景にあるのは、原油高騰で得た潤沢なロシアマネーと見られていますが、建設費用などはまだ発表されておらず不明です。

サハリンの鉄道は、日本統治時代の名残で日本の在来線と同じ1067mmの線路幅を採用しているのですが、サハリン鉄道局では3年前から、将来の大陸直結に向けて、線路幅をロシア標準の1520mmに広げる工事に着手しており、7年後までにはサハリン全土の線路幅の改修を完了させるとしており、これにより、石炭やセメント、重機などを大陸と同じ車両で効率的に運べるようになります。

この改修工事が完了し、且つ間宮海峡を横断する橋もしくはトンネルが完成すれば、確かにサハリンと大陸は一本の鉄路で結ばれるようになります。
しかし宗谷海峡は、間宮海峡や津軽海峡よりもずっと広大なため橋の建設は技術的に困難であり、また、同一国内の海峡である間宮海峡や津軽海峡とは違い国境を跨ぐという事情(そもそも日本にとって南樺太は現在でも帰属未定地です)や、日本側の合意が建設の大前提である事などから(しかも日本はロシア側に合わせて線路幅を改軌する心算は全くないです)、宗谷海峡を鉄路で結ぶ構想には、現時点では余りにも課題が多く、津軽海峡大橋よりもその実現性は低いと言わざるを得ません。
とはいえ、サハリン州はこの構想の実現にかなり本気らしく、今後、官民を挙げてこれらの構想の実現に取り組むとしており、先月からは世論喚起のため、子供達が大橋の想像図を描く絵画コンクール「サハリン・北海道間に橋を造ろう」を開始しているそうです(道内からの応募も受け付けているそうです)。

私個人としては、この大橋そのものが実際に建設される事よりも、ロシア側がこの大橋の建設を熱望するようになれば、日本にとっては北方領土返還交渉の有力の切り札としてこの構想を利用する事ができるようになるのではないか、という事に期待しています。夢もロマンもない“大人”な意見で申し訳ないですけど(笑)。
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by bridgelove | 2008-08-01 04:42 | 海外の橋 | Comments(0)