放生橋 ~誉田八幡宮にある、神様のための太鼓橋~

平成20年8月、大阪府羽曳野市を散策してきた際、私は同市内の応神天皇陵(正式には惠我藻伏崗陵という名の前方後円墳)に隣接して鎮座する、応神天皇を主祭神としてお祀りする誉田八幡宮(こんだはちまんぐう)をお参りしてきました。
欽明天皇の命により建立したと伝わる、「日本最古の八幡宮」としても知られているお宮です。

私はその誉田八幡宮の境内で、放生橋(ほうじょうばし)という名の、長さ4m、幅3m、高さ3.5mの、大変興味深い太鼓橋を見学してきました。
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放生川に架かる花崗岩製のこの反橋は、鎌倉時代に造られたと伝えられており、通常は立入禁止となっていますが、毎年9月15日の誉田八幡宮例祭の夜には、神様をお乗せした鳳輦が人々に担がれてこの橋をお渡りになり、誉田八幡宮から応神天皇陵の濠のほとりへと渡御し、そこで祝詞奏上や神楽奉納などの神事が行われるそうです。
かつては、陵墓の頂上まで渡御していたといい、応神天皇を主祭神とする誉田八幡宮と、応神天皇陵との、古くからの深い繋がりが窺われます。

神社の境内に架けられている橋の形式には、人間(参拝者)が渡る事を主体にして造られた橋と、神々の神霊がお渡りになるものとして、または御神威の発揚のため、神々に捧げられた橋の二つに大別する事ができますが、この放生橋は明らかに後者のタイプの橋で、神々しい荘厳な形式を採っていますが、それ故に、御覧にように人間にとってはかなり渡り辛い形になっています。
以前の記事で紹介した彌彦神社の玉ノ橋(新潟県西蒲原郡弥彦村)も、こういったタイプの橋といえます。

また、通行禁止にはなっていないため参拝者も渡る事はできますが、住吉大社の住吉反橋(大阪市住吉区)や、多賀大社の太閤橋(滋賀県多賀町)なども、その形状からも明らかなように、参拝者よりは神様が渡る事のほうが主体になっている橋といえます。
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by bridgelove | 2012-11-20 12:36 | 神社仏閣の橋