戻橋 ~京都を代表する魔界スポット~

今回は、今年3月に京都を旅行した際に見学してきた、京都市内を流れる堀川に架かる「戻橋」(もどりばし)という橋を紹介させて頂きます(一条にあるため「一条戻橋」とも呼ばれています)。
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上の写真2枚が、それぞれアングルを変えて撮影した、その戻り橋の全景で、御覧のように現在は何の変哲もないコンクリート造りの普通の橋ですが、かつて平安京の北辺に位置したこの橋は、死者蘇生の伝説や鬼女退治の奇々怪々の話など、多くの伝説・迷信・謎が伝わる怪奇現象の現場として有名な橋でもあり、また、陰陽師・安倍清明所縁の橋(清明はこの橋の下に式神を隠していたと云われています)でもあった事から、今でも京都を代表する魔界スポットとして知られる橋です。
ちなみに、安倍清明を御祭神としてお祀りしている清明神社は、この橋のすぐ近くに鎮座しています。
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平安時代の延喜18年(918年)、文章(もんじょう)博士・三善清行(みよしきよつら)が72歳という、当時としてはかなりの高齢で亡くなった時、父の死を聞いた子の浄蔵が紀州熊野から京都に馳せ帰ってきたのですが、その時、その葬列は丁度この橋の上を通っている所でした。
鉢を自在に飛ばして物を運び、傾いた八坂の塔を一晩で戻した云われる程の法力豊かな僧であった浄蔵は、柩にすがって泣き悲しみ、「今一度父に会いたい」と神仏に熱誠を込めて祈願した所、何と父清行はその場で蘇生し、浄蔵と父子物語を交わし、その7日後、清行は再び帰らぬ人になったと云われています。
「戻橋」という橋の名は、その伝説から名付けられたと云われています。

戻橋は、現在では何事もなかったかのように大勢の人が行き交う橋ですが、戻橋という名前故、かつては、戦場に出征する時や旅行・出張に出かける時などは「無事に戻れるように」という願を掛けてこの橋を渡る人が多く、逆に結婚式の行列などは、「出戻らないように」という理由から、この橋を通る事は避けられてきました。
また、「故人が戻る事がないように」という意味から、現在でも霊柩車もこの橋は避けて通ると云われています。
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by bridgelove | 2009-08-18 06:23 | 中部・近畿の橋 | Comments(0)